転職せずに組み込みエンジニアを続けるリスク「立場の弱さ」

組み込みエンジニアからの転職

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開発工程からくる立場の弱さ

開発工程からくる立場の弱さ

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組み込みエンジニアの現状は厳しい

近年、製品開発における組み込みエンジニアの立場の弱さが目立つようになってきています。開発環境がどんどん厳しくなっていく中で、このまま組み込みエンジニアを続けることのリスクを考えると、転職した方がいいのではと考えるエンジニアも少なくない現状があります。では、なぜそのような状況に陥ってしまっているのでしょうか。

立場が弱い理由とは

開発現場において組み込みエンジニアの立場が弱いと言われる背景には、開発工程のあり方が関係しています。機能が豊富な製品は今や当たり前の時代ですが、新しい製品が出るとさらに便利で新しい機能へのニーズが出現し、製品開発現場はその要求を実現するために奔走します。プロジェクトが開始されると、最初に製品のデザインやシステム仕様について決定され、次にハードウェア開発の段階へと移ります。ハードウェア側の機械部分や電子部分の仕様が決まると、やっとソフトウェア開発の方へと順番が降りてきます。
上の工程が詰まってしまうと当然それは下の工程に影響が出てしまいますが、それでも納期は同じです。そのため、最後の段階にならないと完全に方向性を決められない組み込み開発側の立場は弱く、そこまで来るともう頑張るしかない状況に追い込まれるので現場は過酷になる一方となります。
この点は、携帯電話を例にとって考えてみると現状を理解しやすいかもしれません。携帯電話から現在主流のスマートフォンへと移行するまでのスピードはかなりのものでした。新製品は次から次へとリリースされ、機能は使いきれないほど充実し、どんどん不具合が改良されて便利に進化していった過程は容易に思い返せるのではないでしょうか。
組み込みエンジニアは、過密スケジュールの流れの最終段階で全てに対応しなければならず、ハードウェア開発側からの要求通りに製品が動くよう技術を駆使して間に合わせなければならないのです。

時代と共に変化する

かつての製品開発現場では、今のような開発のやり方はしておらず、ハードウェアとソフトウェアのエンジニア達が横一線で開発していました。この方法だと、最初の段階から組み込みエンジニアもプロジェクトに参加することができるので、今ほどソフトウェア開発側の負担は重くなりません。
しかし、開発規模が拡大し、スピードを競うにつれて分業化が進み、ソフトウェア開発は最後の段階にならないと着手できない現場が増えてしまいました。分業化そのものは悪いことばかりではありませんが、ハードウェアもソフトウェアも一緒に開発していた時のような情報共有が難しくなり、それぞれの専門分野だけに特化した仕事をすることで、単純な連絡ミスによる問題も発生しやすくなってしまったのです。
これらの事柄が積み重なった結果、組み込みエンジニアの意欲を奪うという現象につながっているのです。

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